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衆議院の解散は何のために、そして誰のために、

日本国憲法は、内閣不信任決議が可決された場合に、内閣が衆議院を解散できると定めている。しかし現実には、不信任決議とは無関係に、解散は「総理の専権事項」とされ、繰り返し行われてきた。

今回の衆議院解散は、その問題点を端的に示している。解散から投票日までの期間は短く、解散の理由や国民に問うべき争点は十分に示されなかった。結果として、有権者は政策ではなく、政権や政党の「イメージ」や「勢い」を基準に投票せざるを得なかったのではないだろうか。

解散権は、本来、国民に具体的な政治判断を仰ぐための制度である。それが争点を示し、議論を尽くすことなく行使されるならば、選挙は政策選択の場ではなく、政権の支持率を測る人気投票に近づく。そこでは、国民の熟慮や批判的判断が入り込む余地は小さい。

多数を得たという結果だけをもって、直ちに国民の信任があったと評価することには慎重であるべきだ。人気の有無と政策への同意は、本来、別の問題だからである。

解散権の行使は、国民に何を問うのかを明示してこそ、正当化されうる。